バップ以降
昨年の10月JPA66の導入以来、クラシック関連の記事が続いてしまいましたが、Getzや10インチ盤のアクセスも結構戴きましたので、久し振りに10インチに触れてみました。10インチ Ⅰ(トラディショナル)、Ⅱ(スイング)ときましたので、Ⅲはバップ以降といたします。
バップと云えば、先ず「バップ期における最高のトランペッターの一人」であるナヴァロをあげないわけにはいきません。
BN5004、’47年9月26日、’48年9月13日、10月11日、49年8月9日、Lexington Ave 両溝 手書きマトリクス 耳マーク 9M フラット重量盤 額縁ジャケット 完オリ。
以上ダメロン、パウエル、マギーとの2トランペットセッションからの計7曲で、ブルーノートに残されたナヴァロの代表的な名演奏が集約されています。また、BLP1531,1532として12インチ化され、別テイク等も聞くことが出来ます。
録音の質の問題や短い演奏時間を超えて「端正そのものの安定したフレージングと強烈なアタック、そしてなによりも溢れんばかりの歌心に満ちたトランペット(大和明)」を聴くことが出来ます。
BN5003、’49年8月9日、’51年5月1日、Lexington Ave 両溝 手書きマトリクス 9M フラット重量盤 額縁ジャケット 完オリ。
12インチ盤BLP1503の「UN POCO LOCO」3連発は小生には厳しすぎるので、この10インチ盤を愛聴しています。
BN5041、’53年8月14日、Lexington Ave 両溝 手書きマトリクス 耳マーク 9M フラット重量盤 額縁ジャケット 完オリ。
あの「UN POCO LOCO」セッションから約2年後、パウエルのピアノはリラックスしていることが覗われます。
PRLP101(prestige10インチシリーズの最初の盤、因みに214で終了)、’49年1月、6月、9月、両溝 手書きマトリクス 耳マーク フラット重量盤 額縁ジャケット 完オリ。
バップの自然な発展の上に生み出されたものであるといわれる「クール・スタイル」の魅力が詰まったアルバムと云われており、「コニッツの神がかった閃きと厳しさを示したプレイ」を聴くことが出来ます。後年、この8曲に’50年4月7日のセッション4曲を加えてPRLP7004「SUBCONSCIOUSーLEE/LEE KONITZ WITH TRISTANO」として12インチ化されています。
PRLP103、’49年10月、12月、両溝 手書きマトリクス 耳マーク フラット重量盤 額縁ジャケット 完オリ。
パーカー派のアルト奏者スティットは、パーカー在世中は専らテナーを吹いていたが、その頃のパウエルとの名演を収めたもの。後、’50年2月のセッションを加えてPRLP7024で12インチ化されている。
DL7025,’52年2月、グリーンゴールドラベル、両溝、フラット重量盤、完オリ。
「THE CHASE」は、Dexのザ・ダイアル・セッションズ、’47年6月がオリジナル演奏でこれは再演セッションだが、グレイとDexの熱いテナーバトルが楽しめます。
BN5021、’52年6月20日、11月19日、Lexington Ave 両溝 手書きマトリクス 耳マーク フラット重量盤 額縁ジャケット 完オリ。
ドナルドソンのアルバムとしては、クリフォード・ブラウンとのBN5030(’53年6月9日)の方が有名だが、こちらはブルーノート初リーダー作を含む物である。後年、5030と合わせて12インチ化(BLP1537,「QUARTET,QUINTET,SEXTET」)されている。
PRLP170、’54年12月23日、’55年1月9日、両溝 手書きRVG&マトリクス 重量盤 額縁ジャケット 完オリ。
1954年4月3日、マイルスの「Solar」セッションからプレステージに加わったR・バン・ゲルダーの手書きRVGが拝めます。PRLP7057で12インチ化されたことはご案内のとおりです。
PRLP211、’55年6月16日、両溝 手書きRVG&マトリクス 耳マーク フラット重量盤 額縁ジャケット 完オリ。
(因みに、プレステージレーベルは、最初期の頃はフラット盤では無く、途中からフラット盤が出てきたと云われています。)
これもPRLP7050で12インチ化されています。
神様RVGがリマスターしたブルーノートやプレステージの12インチ盤は、それはそれで作られた芸術として聞き応えがありますが、初期の10(とう)インチ盤には、より自然な再生音のジャズがあります。
小生などは歳のせいか、圧倒的に迫ってくるRVGも良いですが、こうした自然な再生音楽により親しみを感じるようになってきています。
ちょっと小ぶりな10インチ盤をターンテーブルに載せて、リラックスしてみるのも一興かと思います。