蓼食う虫
以前、2013年12月3日「M/RED」の項で、
「小生としては、RECTANGULAR GRF の箱にこのM/REDを入れてJAZZを聴いたら好みの音楽が鳴るのではないかと期待しているのですが、なかなか良い箱が見つからないようです。気長に見つけて戴くか、諦めるか、でしょうか。」
と書きましたが、待つこと3年余ようやく望みのRECTANGULAR GRFが見つかりました。
ORIGINAL AUTOGRAPH の「霜降り布」と同じ仕様の物が出てきたのであります。
弥生の中旬、HPにアップされました。
定期的にチェックを入れて来てようやくですが、取り敢えずTELで確認して、商談が入ってしまう前に相模原市まで現物を見に行くことにしました。
今年初めての遠出(?)です、若干体力的な不安はありましたが、憧れる気持ちが上回り、車を飛ばすことが出来ました。
持参したLP6枚を聴いているときの昂揚感は例えようもありません。
予想していたよりも遙かにいい響きです。
何でも、ネットワークをコイルも含めて完璧にオーバーホールしたとか云う事でした。
シェイプアップしてズッとスマートになられた店長と話しているうちに、これも「多生の縁」とばかりに、予約を入れてしまいました。
RECTANGULAR GRFに入れる筈であったM/REDは、既述の如く、その後AUTOGRAPHに入って心地良い音楽を再生してくれておりますので、今更、取り出すわけにもいきません。
どうするか?
一方、かって30有余年聴き馴染んできたM/GOLDの温かい音触にも懐かしさがこみ上げて参りました。
いいや!
当初はM/GOLD入り(ORIGINAL)を聴いてみて、そのままにするか、飴色キャップのM/REDを探すか考えようということにしました。
以前にも申しましたが、3組のスピーカーは我が庵には無理(技術的にも物理的にも)ですので、ここはSILVER in CORNER YORKに引き下がって戴くことと致しました。
2台とも、6万3千6百番台ということで、1967年頃の製品でありましょう。現用のAUTOGRAPHに着いていたM/GOLDが6万9千番台ですので、それよりも前ということになります。
多分、先達や友人等に「おまえなー?」と云われることは覚悟の上でありますが、小生には霜降りネットと飴色キャップのM/REDに対する憧憬が、想いが、強いのです。
そのための1歩と思っておりますが、・・・・・。
チーク材に霜降りネット、メインのAUTOGRAPHと実に良く調和しております。
これなら、AUTOGRAPHの邪魔にならず、またAUTOGRAPHから邪魔者扱いされることもありますまい。
ところで、今回もWE348A刻印マグネシュームゲッター×2,WE274B刻印元箱×3,WE349A(トップマーク)元箱×5,等々二十数本が去って行きましたが、我が余生ではもう使われることはない球たちです、他所で灯を入れて戴く方が本望に違いありません。
とばかりに割り切って、捻出しました。
直裁で剛毅なSilverの中域の厚い「こく」も魅力的ですが、こうして憧れの霜降りネットのRECTANGULAR GRFを導入してみますと、M/GOLDのゆったりとした低域に支えられた中高域の柔和な佇まいにも惹かれます。
プラシーボと云われようと、このメロウな再生音は素敵です。
もう一ヶ月になりますが、Lee Wiley や Peggy Lee が、小生のために、眼前で表情豊かに優しく歌いかけてくれています。
それだけでも十分じゃぁないですか、当分は痺れっぱなしになりそうです。