WE420A(WE5755)+アダプターを、取って置きの現用GE5751(’50年代3枚マイカ・ブラックプレート・スクエアーゲッター)、及びSYLVANIA5751('50年代軍用3マイカ・ブラックプレート・スクエアーゲッター)、並びにTELEFUNKEN ECC803s(◇マーク)等と聴き比べて見ました。
左の2本は、付属品で久し振りに灯を入れてみました。悪くはありませんがそれなりで、再生音の向上を図ってきた小生には、もはやとても使う気にはなれません。
松下のTマーク付きや通測用を始めとして、内外の12AX7を十数本とっかえひっかえして選んだSYLVANIA5751は、かちっとした再生音で楽器の質感もしっかりしていて安心して聴いていられます。GEに出会うまでのメイン球でしたが、その後も手放せず置いておきました。
GEの5751はシルバニア球を今少し濃くしたような感じで、ボーカルの艶や楽器の厚みが出て堪りません。愛すべきウォームビューティであり、JAZZ再生にはGoodで、現用品です。
その昔、C-22用に手に入れたTELEFUNKEN ECC803sは、フラットで雑味が無く謂わばクールビューティというところで、オーディオ的には面白いが、我が家のJAZZ用としては、今一熱気が足りません。
さて、問題のアダプター付きのWE420A(WE5755)です。
先ず、フォノ入力の初段(左右チャンネル)に使って見ました。(次段は従来通りGE
の5751です。)
情報が増えたことは、直ぐに解りましたが、何だか生硬な感じ(大体取り換えた当初はある)がいつもと比べて半端ではありません。かなり違和感が有ります。ウーン、こりゃエージングで取れるのかな-?というのが初発の印象でした。
先達にお伺いすると「WEのMT管は特にエージングに時間がかかる、その上、アダプターが市販の安物(?・真空管試験器用のソケットセーバーの内部配線を変更して代用した物)じゃ、無理ないね! まあ、気長に灯入れをすることだね。」というご託宣を戴きました。
10日ほど我慢をしていますと少し解れてきた様な気がしましたので、GE球に戻してみました。ああ、これだこの音だと喜んでいましたが、LP1枚も終わらないうちに、何だか物足りなくなってきました。再生される音楽の訴えてかけてくる力が弱いような気がします。
また、WE球に戻してみるとズッと迫ってきます。
確かに、未だ馴染まないというか人肌感が薄いというか、やや一体感に欠ける感じが否めませんが、それでも、初発の頃よりほぐれており、いい感じになってきています。
2週間ほど経った所で、件の若いしにも聴いてもらいましたがWE支持ですし、悪友は何度か聴いてきていますが、最初からWEに手を上げていました。
小生も、これはもうWE420A(WE5755)で行くしかないな、と腹を決めました。
それなら、「アダプターを外さなくっちゃ」という声にも後押しされて、アンプをひっくり返しました。4、5のヒーターはそのままで、P(プレート)G(グリッド)K(カソード)の位置が12AX7系とは異なります。
先ず、規格図を見つけてみました。それを先達に確認して戴き、OKが出たので、作業開始です。
配線材が色分けしてありますので、作業もやりやすかったです。ハンダがキチンと付いているかよく確認して、球を挿してみました。(この程度なら、飽きたらまた元に戻せます。)
緊張の瞬間・音出しです。
随分とこなれてきています。やはり、アダプターが外れると再生音に雑味が無く滑らかで、自然です。
GEの時に比べるとレンジは上下に伸びていますが、中域が薄まることも無く、しかも、楽器やボーカルの質感は更に生々しく、やっぱり、WEだなーと納得してしまいました。
それにしても、先達の「球を挿し替えると音が変化する(成長する)のが、真空管アンプの楽しみ」とは、蓋し名言かと思います。
また、それ故にこそ、球遊びは止められません。