このところ猛暑日が続き、県内でも全国的に認知されている市街が幾つかある。小生の住まいは、山間の地なので、若干は暑さもなるいが、それでも35度は超えている。昔むかし(小生が小学生の頃)では、30度を超えると学校が早く引けた、所謂早帰りとなった。今は、10月でも30度を超える日がある、嫌でも、クーラーの世話にならざるを得ない。仕方が無いので、山手線ではないが、弱冷房室にして小音量でPepperを聴いている。
DISCOVERY DL3019(quartet、’52,2 & ’53,3録音) DL3023(quintet、’53,12)共に10inchフラット重量盤です。後年Savoyレーベルで、「Surf Ride」として纏めて12inchでも出ました。Pepperの初リーダーセッションを含みます。「もう一節一節がスインギーに旋律的に狂おしいほど輝いているのだ。こんなふうに輝くのはペッパー一人だ。(寺島氏)」
さり気なく歌っているのに、そのフレーズと音色に潜む哀感や翳りに惹かれ、どうにもならないほど胸の熱くなる想いをしたファンは、巷に溢れている。
左は、復帰第一作(’56,8)で、DIANEと再婚し、健康体でいられることが少なかった彼の生涯に於いて、幸福の絶頂期に録音された物で、「modern art」「meets the rhythm section」と並ぶペッパーのインプロヴァイザーとしての神髄が究められた傑作とされています。
瑞々しく、表情豊かに寛いでおり、明るく爽やかです。また、孤高の愁いを湛えた音色は更に魅力を増しております。
右は、珍しいトリオによる「I can’t give you anything but love(捧ぐるは愛のみ)」が入った、寄せ集めというか拾遺集(’56.’57)というか珍しい盤です。因みに、写真も借用(?)しているようです。
御存知「besame mucho」の入ったQUARTETとfeaturing ART PEPPERの「tampa」の2枚です。共に’56の8月から9月の録音です。
「翳りの魅力」「滅びの美学」に満ちあふれた名盤であります。
左は、白人トランペッター Chet Baker(当時はMilesよりも評価が高く、人気もあった。)とペッパーの只1回の双頭リーダーセッシヨン(’56,10、31)で、寛いだムードで演奏され、スイング感、歌心に溢れております。
右は、中間派セッションでお馴染みのVANGUARDレーベルから出された、Ted Brown(ts)sextet(’56,11,26)で、ペッパーがfeaturされ、見事に実力を発揮しております。
所謂、introの2枚、ILP-606(’56,12 & ’57、1)、ILP608(’57、1)です。ペッパーの中でも大層渋い作品であります。愛すべきペッパーの締めくくりに聴くのは、当然の様に「BLUES OUT」と決まっております。静かに落ち着いて床につくことができます。
ということで、「MEETS THE RHYTHM SECTION(’57,1)以降のPepperについては、次の機会にさせて戴きます。