名妓 Lee Wiley |
(白居易「長恨歌」)
クラシックがAmeling、Staderなら、ジャズは1にLee Wiley、2にPeggy Lee,3,4がなくて5にJulie Londonといきましょうか。
共に’52年録音の10inch、Flat重量盤です。もう既に音楽が鳴る前から、ジャケットを眺めているだけで、Wileyの醸し出す「粋で洗練された世界」に嵌まってしまいます。寺島氏ではないですが、ジャケットの無い女性ボーカルなんて・・・、当にご尤もであります。それにしても、我が愛すべきクラシックのジャケットの無粋なこと、かの江夏俊太郎氏もさぞかし無念のことと拝察申し上げます。
(クラシックではジャケットが無い盤が多々あっても全く苦にしないのに・・・)。
右はEP盤二枚組で片面二曲ずつ入っています。さすがに45回転盤、鮮度は更に高いです。
都合これらのCOLUMBIAの三枚が、WileyのMay Bestです。特に、night in manhattan は「ボビー・ハケット(tp)、ジョー・ブッシュキン(p)の言うことなしの見事な助奏と共に、円熟の極致に達した彼女の粋で洗練された、そして程よい哀愁をそそる表情豊かな歌を味わえる。」(大和明「〃」) ものであります。
なお後年、「Duologue]というタイトルで12inch盤が出ましたが、これは上の10inch盤にEllis LarkinsのSolo Pianoアルバムから4曲を加えた物ですので念のため。
「小股の切れ上がったいい女」Lee Wiley 機会を見つけて聴いて戴きたいものです。
噂のモニターシルバーの音は、さすがにお見事なものでしたね。傑出した音場感の表現、綺麗にバランスされたそれぞれの楽器また奏者の自然なリアリティを伴った位置関係が大変心地よく、そのため全体の音と奏者の感情まで含めての絡み方がよりはっきりと伝わる感じがして、そのままキリ無く演奏を楽しむ事に没頭してしまいます。
勿論オーディオ的?にとかでちまちまと隅をつつくのは造作もない事ではあるのですが、何にも増して音楽の核となる部分を朗々と表現して見せるその力量に改めて驚かされました。これこそがタンノイ デュアルコンセントリックの本当の実力なのですね。
本当に素晴らしい状態と思います。恐らくこれからも更に磨き上げられて行く事は間違いないでしょうから、またの訪問の機会を楽しみにいたします。